モバイルバッテリーを飛行機に持ち込めるってホント?国内線の基準を容量ごとに解説

更新日:2023年10月17日

モバイルバッテリーを飛行機に持ち込めるってホント?国内線の基準を容量ごとに解説

旅先や出張先でスマホやPC、タブレットといった電子デバイスを充電するのに便利なのが、モバイルバッテリー。「でもモバイルバッテリーって、飛行機に持ち込めるの?」。飛行機内への持ち込みや預け入れができない危険物の代表例として電池やバッテリーが挙げられていることもあり、そんな不安を持つ方もおられるのではないでしょうか?そこで今回は、モバイルバッテリーを飛行機内に持ち込めるのか、持ち込めるとすれば条件などはあるのか、そのあたりについて調べてまとめてみました。

モバイルバッテリーは持ち込み可能?

モバイルバッテリーは持ち込み可能?

結論からお伝えすると、国内線・国際線ともに飛行機内へのモバイルバッテリーの持ち込みは可能で、預け入れに関してはNGとなります。モバイルバッテリーには、「リチウムイオン電池」と呼ばれる電池(充電して繰り返し使用できる二次電池)が組み込まれており、このリチウムイオン電池は、何らかの強い衝撃が外から加わった場合、発熱・発火する恐れがあります。そのため本来、飛行機に持ち込む際は危険物として扱われるべきものなのです。ですがスマホなどを充電するためのモバイルバッテリーについては、例外として「予備電池」として扱われ、預け入れ手荷物として預けることはできないものの、持ち込み手荷物として飛行機内に持ち込むことは許可されています

モバイルバッテリーが預けられない理由

モバイルバッテリーが預けられない理由

前述したように、モバイルバッテリーは衝撃が加わった際に発熱・発火する恐れがあるリチウムイオン電池を搭載しており、最悪の場合、空港や飛行機内で取り返しのつかない危険な事態を引き起こす可能性があります。モバイルバッテリーのこれまでのアクシデント報告や危険性を懸念して、国際民間航空機関(ICAO)は、平成28年4月1日からモバイルバッテリーの預け入れを禁止にしました。ですがこれを読んでくださっている方の中には、「機内への持ち込みが許されているのに、預け入れはできないってよく分からない…」と疑問に思う方もおられるのではないでしょうか?これは、手荷物として機内に持ち込んだ場合は有事の際にすぐに対応ができますが、預け入れ荷物では対応が遅れてしまう危険性があるためです。空港で慌てる必要がないよう、スーツケースや大きなバッグなど、預け入れ荷物にモバイルバッテリーは入れず、機内持ち込みの荷物に入れておくようにしましょう。

機内に持ち込めるモバイルバッテリーって?

機内に持ち込めるモバイルバッテリーって?

飛行機内への持ち込みがOKとはいえ、どんなモバイルバッテリーでも、何個でも持ち込めるわけではなく、持ち込めるバッテリーの容量や個数には制限があります。国内線に関しては、一部の航空会社を除くANAやJALをはじめ大半の航空会社が同様の制限を設定しており、バッテリーの容量が100Wh(ワットアワー)未満であれば、特に制限なく持ち込みが可能です。また、100Wh~160Whまでの容量なら、2個まで持ち込めます。なお、161Wh以上の場合は、持ち込みできません。では国際線はどうなのかというと、国内線と同様であることが多く、多くの航空会社が「100Wh未満のバッテリーは制限なし。容量が100Wh~160Whまでなら2個まで」と定めています。ですが国や航空会社によっては、日本以上に厳しい基準を設けているケースもありますので、搭乗する予定の航空会社の制限を調べておくと安心できるでしょう

バッテリー容量は変換できる

バッテリー容量は変換できる

「容量が100Wh未満のモバイルバッテリーは、ほぼ全ての飛行機内に持ち込みが可能で、161Wh以上のモバイルバッテリーは基本的に持ち込み不可。100Wh~160Whまでの容量は、2個までなど個数制限がある」。先に説明したのでこちらは理解してもらえたと思いますが、モバイルバッテリーの容量は「mAh(ミリアンペアアワー)」で記載されていることが多く、「Wh(ワットアワー)」での容量が分かりにくい、という問題があります。ですので、自分で計算してmAhからWhに変換しましょう。計算式は、「Wh=V(電圧)×Ah(バッテリー容量)」となります。リチウムイオン電池の電圧は3.7Vなので、電圧はこの値で固定します。バッテリー容量はmAhではなくAhとなっていますが、AhはmAhを1000で割った値ですので、これらの数字を計算式に当てはめると、「Wh=3.7×mAh÷1000」となります。この計算式で計算すると、100Whは約27,027mAh、160Whは約43,243mAhであることが分かります。ということは、容量が43,243mAh以上のモバイルバッテリーは持ち込みができず、27,027mAh未満のモバイルバッテリーは持ち込みができる、ということが分かっていただけるでしょう。

モバイルバッテリーを預けてしまったら

モバイルバッテリーを預けてしまったら

預けてしまったらどうなる?

もしモバイルバッテリーをスーツケースなどの預け入れ荷物に入れてしまった場合、どうなるのかについてですが、国内線の場合は、X線チェックで指摘を受けます。検査員に指摘されたら、モバイルバッテリーを速やかに荷物から取り出し、再度X線チェックを依頼すればOK。機内への持ち込みができる容量のモバイルバッテリーであれば、手荷物としてそのまま機内に持ち込みましょう。しかし、国際線では国内線よりも厳しい検査が行われる場合があり、勝手にスーツケースのカギを壊して開けられ、中に入っているモバイルバッテリーを没収されたり、捨てられてしまうケースがあるようです。この際に一緒に入っていた貴重品などが盗まれる危険性もあるため、国際線を利用する場合、モバイルバッテリーは絶対にスーツケースなどの預け入れ荷物に入れないように注意しましょう。

預けてしまった場合の対処法

「ついうっかりして、モバイルバッテリーを預け入れ荷物に入れていたことに、後から気づいた…」。そんな時は速やかに搭乗する航空会社のカウンターに行って、預け入れた荷物にモバイルバッテリーが入っていることを申告しましょう。そうすると、たいてい荷物の引き換え番号を聞かれ、後は航空会社が対応してくれるのでその後の指示を待てばよいでしょう。モバイルバッテリーは私たちにとって身近なものですし、こういったミスは誰にでも起こりえます。決して焦る必要はありませんが、ミスに気づいたら間髪入れず即座に対応することで、搭乗後の呼び出しや搭乗時間の遅延といった事態を防げ、なおかつ嫌な思いを最小限に抑えることができるでしょう。

ヘアアイロン(コテ)の持ち込みにも注意

ヘアアイロン(コテ)の持ち込みにも注意

ヘアアイロンも、電源の種類によって機内に持ち込めるものと持ち込めないものがあります。プラグをコンセントに差して使うコンセント式のヘアアイロンは、特に個数制限もなく機内への持ち込みも預け入れも可能です。リチウムイオン電池を使用したヘアアイロンはモバイルバッテリー同様、発熱・発火の恐れがあるので、内蔵バッテリーを取り外せば機内への持ち込み、預け入れのどちらもOK。内蔵バッテリーを取り外せないタイプはNGとなります。乾電池(アルカリ、マンガン)を使用したヘアアイロンは、乾電池が入っていない状態なら持ち込み、預け入れともに可能。また、炭化水素ガスを使用したガス式のヘアアイロンは、持ち込み、預け入れのどちらも可能ですが、1人1個までで、アイロン部分に安全カバーが付いているものに限られます。「愛用のヘアアイロンを旅先でも使いたい」という方は多いと思いますので、ヘアアイロンを旅に持参する方は、モバイルバッテリーと併せてチェックしましょう。

まとめ

まとめ

以上、モバイルバッテリーを飛行機内に持ち込む際の制限やルールについて紹介しました。国内外問わず、飛行機での旅行や出張の予定がある方はこの記事を参考に、自分が使っているモバイルバッテリーの容量を確認しておくようにしましょう!

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