飛行機用の赤ちゃんベッド「バシネット」や「チャイルドシート」の利用条件は?ベビーカーの持ち込みについても解説
更新日:2024年1月31日
ゴールデンウィークなどの連休時には、旅行などで赤ちゃんや乳幼児を連れて飛行機を利用する予定がある方も多いと思います。ですが0歳児など、小さなお子さんと一緒に飛行機に乗るのが初めての場合、「座席はどんな風になるのだろう…」と不安な方もおられるのはないでしょうか?今回はそんな方のために、航空会社が用意している飛行機用の赤ちゃんベッド「バシネット」の詳細や予約方法をご紹介。チャイルドシートの利用条件や、ベビーカー持ち込みの可・不可についても説明します。
目次
- 赤ちゃんベッド「バシネット」
- 予約方法
- 利用方法
- 設置場所は?
- 使えるタイミング
- 注意事項
- 国内線でも国際線でも使えるの?
- 2歳未満なら「チャイルドシート」も
- 利用条件
- 「ベビーカー」は持ち込める?
- サイズの規定
- 注意事項
- まとめ
赤ちゃんベッド「バシネット」
「バシネット」とは、飛行機内で利用できる簡易的な赤ちゃん用ベッドのこと。英語の綴りは「bassinet」と記します。ANAではストレートに分かりやすく「ベビーベッド」、デルタ航空では「スカイコッツ」と呼ばれており、「キャリーコット」と呼んでいる航空会社もあるようですが、「バシネット」と言えば日本の航空会社はもちろん、海外の航空会社でも間違いなく通じますので覚えておきましょう。簡易ベッドなので非常にシンプルですが、フラットな姿勢で赤ちゃんを寝かせられるので、泣いてぐずる赤ちゃんに効果が期待できますし、何かと便利で使い勝手は良好。揺れなどの心配がある飛行機の中で、赤ちゃんを長時間抱っこしているのは肉体的にも精神的にも大変なので、バシネットを利用することで、保護者の負担がグッと軽減できます。
なお、国際線の場合、2歳以上になると座席が必要となるため、バシネットの利用は2歳未満の赤ちゃんが対象となります。また、バシネットのサイズおよび、赤ちゃんの体重制限が航空会社によって異なるので、事前に公式HPなどでチェックしておくと安心でしょう。
予約方法
バシネットは、どの航空会社も基本的に事前予約が必要です。航空会社で航空チケットの予約をした場合はその航空会社に、旅行会社などで航空チケットを予約した場合はその旅行会社に電話で問い合わせましょう。なお、バシネットはどの座席でも利用できるものではなく、数にも限りがあります。事前の予約はあくまでも予約であり、確約はされません。また、バシネットに関して独自の優先順位を設けている航空会社もあり、たとえ予約が済んでいても、当日何らかの理由で利用できない、というケースもあるようです。航空会社によっては先着順ということもあるので、できるだけ早めに希望を伝えておくのがおすすめです。航空会社によっては出発時刻の24時間前までバシネットの予約を受け付けているところもありますが、ANA(国際線)などは出発時刻の48時間前までと定められているので、余裕をもって48時間前までには予約をするようにしましょう。
利用方法
バシネットは抱っこが必要な赤ちゃんや、眠った赤ちゃんを飛行機内で横に寝かせられる便利なアイテム。ここでは、バシネットの設置場所、利用できるタイミング、利用する際の注意事項について説明します。
設置場所は?
バシネットは基本的に壁に取り付ける仕様のため、利用できる座席が前もって決まっていることがほとんど。設置されるのは座席の最前列の正面が多く、飛行機によっては窓側や通路側に設置されることもあります。このあたりについては統一された決まりやルールがあるわけではなく、航空会社や航空機の種類によってバシネットが利用できる座席の位置は異なります。設置場所が気になる方は、事前に航空会社に問い合わせて確認しておくと良いでしょう。また、バシネットが設置される高さは、座席に座った大人の目線とほぼ一緒なので、この点は赤ちゃんも保護者も安心できるポイントですね。
利用できるタイミング
バシネットを利用できるタイミングについてですが、基本的にはシートベルトサインが消灯している間、と認識しておきましょう。飛行機が空港を離陸し、シートベルトサインが消灯すると、キャビンアテンダントがバシネットを設置してくれますので、離陸するまでは赤ちゃんをしっかりと抱っこして待ちましょう。なお、国際線の場合は、目的地に到着する1時間ほど前から着陸に備えた準備が始まり、多くの場合はこのタイミングでキャビンアテンダントがバシネットを片付けにやって来ます。すやすや眠っている赤ちゃんには申し訳ないですが、シートベルトサインが消灯している間にバシネットを撤去しなければいけないので、スムーズに片付けができるように準備しておけば万全でしょう。
注意事項
バシネットに赤ちゃんを寝かせる時は、赤ちゃんの頭は必ず通路の反対側になるように寝かせなければいけません。キャビンアテンダントや乗客などが通路を行き来するため、ともすれば赤ちゃんの頭にぶつかってしまう危険性があるからです。また、バシネットには赤ちゃんを落下から防ぐため、安全カバーが取り付けられています。窮屈になって赤ちゃんがかわいそうな気もしますが、赤ちゃんは時として予測不可能な動きをすることがあるので、この安全カバーは万が一の事故を防止するために必要不可欠なんですね。なお、間違えて通路側に赤ちゃんの頭を持ってきてしまうと、安全カバーで赤ちゃんの顔が覆われてしまうこともあるので注意してください。
国内線でも国際線でも使えるの?
また、「バシネットは国内線でも国際線でも使えるの?」という疑問に関してですが、比較的フライト時間が短い国内線の場合、ほとんどの航空会社がバシネットを提供するサービスを行っていないようですが、ANAではバシネット(ベビーベッド)が提供されています(一部を除く)。JALでは国内線でバシネットの利用はできません(チャイルドシートあり)。ですので、ごく限られた便や機体で、国内線でもバシネットのレンタルサービスを行っていますが、基本的に国内線でのバシネットの利用はANAのみと考えておくのが無難です。
一方、国際線では多くの場合バシネットの提供サービスを行っていますが、機体の種類や一部の航空会社ではバシネットを提供していないケースもあるので事前に確認しておくようにしましょう。なお、JALやANAではエコノミークラスだけでなく、ビジネスクラスでもバシネットが利用できる座席があるようです。
2歳未満なら「チャイルドシート」も
たとえば大人1人で2歳未満の赤ちゃん2人を連れて飛行機に乗る場合、1人は抱っこして膝の上に乗せられるとしても、もう1人は座席に座らせる必要がありますよね。そんな時はチャイルドシートが必要になります。チャイルドシートを利用する際には赤ちゃん1人分の座席を確保する必要がありますので、自動的に小児運賃が発生しますが、国内線でも利用できることが多く、バシネットと違って座席の位置を選ばないなどのメリットもあります。チャイルドシートは、航空会社によっては事前に予約できる貸し出しサービスがあり(数に限りあり)、条件を満たし、座席に設置することができるチャイルドシートであれば、自分たちで持ち込んだものを使うこともできます。なお、飛行機に乗ることができる乳幼児は、生後8日以上からと決められているので注意しましょう。
利用条件
・BUCKET TYPE(Forword/After facing typeおよびConvertible type)のチャイルドシートで、以下の①~③のいずれかの基準を満たすものとなります。
① 日本(装置型指定基準)の基準を満たしており、なおかつ所定のマークが貼られているチャイルドシート
② 欧米(ECE・FMVSS)の基準を満たしており、なおかつ所定のマークが貼られているチャイルドシート
③ TSO-C100bの記載があるチャイルドシート
・チャイルドシートのベルト通し穴に、航空機の座席のシートベルトバックル(厚さ2.5cm、横幅6.5cm、縦幅6.5cm)が通せること
・赤ちゃんがチャイルドシートに着席でき、チャイルドシートに表記された体重制限を超えていないこと
「ベビーカー」は持ち込める?
赤ちゃんを連れて旅行に行く場合、ベビーカーを持っていきたいと考える方は多いでしょう。そこで飛行機へのベビーカーの持ち込みに関してですが、持ち込みできる荷物のサイズ制限を下回っているケースを除き、JAL、ANAなどの一般航空会社、LCC各社ともにベビーカーを持ち込むことはできません。ちなみに、JAL、ANAで機内に持ち込める荷物のサイズ規定は、以下のようになっています。
サイズの規定
《100席以上の飛行機》…幅55cm×高さ40cm×奥行き25cm以内
《100席未満の飛行機》…幅45cm×高さ35cm×奥行き20cm以内
以上のサイズにまで折りたためるベビーカーであれば、JAL、ANAの場合、国内線に限って持ち込むことが可能です。
LCCのジェットスターの場合、折りたたんだベビーカーが機内持ち込み手荷物のサイズ(高さ56cm×幅36cm×奥行き23cm)を超えなければ、機内に持ち込みOKです。
しかし、どの航空会社であっても機内でベビーカーは利用できないため、折りたたんで専用ケースなどに入れて持ち込む必要があります。
注意事項
ベビーカーを折りたたんで機内に持ち込めるサイズになったとしても、注意すべき点があります。それは、JAL、ANAいずれも、機内に持ち込める手荷物は1人1個までと決められている、ということ。機内に持ち込むベビーカーも手荷物としてカウントされるので、身の回り品以外の他の手荷物を機内に持ち込めなくなってしまいます。特に赤ちゃんや小さなお子さんが一緒の場合、オムツや着替え、哺乳瓶などを入れたバッグを用意している場合が多いかもしれませんが、ベビーカーを手荷物としてカウントされると、そのバッグが持ち込めない、という事態になってしまうので注意が必要です。
解決方法として考えられるのは、やはりベビーカーをカウンターで預けること。一般の航空会社、LCCともに、基本的には無料で預かってもらえます。また、ほとんどの航空会社でベビーカーの貸し出しサービスを行っているので、ベビーカーを預けた後は搭乗口までベビーカーの貸し出しサービスを利用するのがおすすめです。ベビーカーの貸出台数に限りがあるので要予約ですが、ベビーカーの貸し出しも無料です(一部除く)。
まとめ
いかがでしたか?バシネットを利用する場合には事前予約が必要なこと、飛行機にチャイルドシートやベビーカーを持ち込むには、クリアすべきいろんな規定があることなどが分かっていただけたかと思います。赤ちゃんと一緒に飛行機に乗る予定のある方は、今回の記事をぜひ参考にして、快適な空の旅を楽しんでください!