飛行機にはさみは持ち込めるのか?国内線・国際線の手荷物の基準
更新日:2025年6月24日

お土産に付いている商品タグを切り取ったり、ちょっとした身だしなみを整えたりと、旅行中であっても意外にはさみを使う場面は多くあります。刃物類は航空法により機内への持ち込みが制限されていますが、はさみは一定の条件を満たしていれば機内への持ち込みができます。本記事では、飛行機に持ち込めるはさみの条件や機内に持ち込む際の注意点、航空会社ごとの対応について紹介します。
目次
- 飛行機にはさみは持ち込めるのか?
- 国内線と国際線で異なるはさみの持ち込みルール
- 航空会社別の持ち込み規制の違い
- 小さなはさみの持ち込み基準は刃体6cm以下
- 6cm以下でも没収されるケース
- 機内ではさみは使用できる?
- まとめ
飛行機にはさみは持ち込めるのか?

飛行機内へのはさみの持ち込みは、サイズの要件を満たしている場合に限り、認められています。一般的には、刃体の長さが6cm以下であり、かつ先端が尖っていないものが基準とされています。これに該当しないはさみが手荷物検査で発見された場合は、受託手荷物として預け直すか、その場で放棄する必要があります。なお、サイズ要件を満たしていても、先端が鋭利であるなど凶器とみなされる恐れのあるものについては、機内への持ち込みは禁止されているため、出発空港のカウンターにて預け荷物として預けることになります。
国内線と国際線で異なるはさみの持ち込みルール
国内線と国際線では、刃物の機内持ち込みに関するルールに違いがあります。刃物類のうち、ナイフやカッターなどの鋭利なものは国内線・国際線ともに機内持ち込みが禁止されていますが、刃体(切先と要ネジの中心を結ぶ直線の長さ)の長さが4cm以下の、T字型カミソリや爪切り、眉毛を整えるなど化粧時に使用するメイク用のカミソリ、電気カミソリは持ち込むことができます。また、刃体の長さが基準値を超えていなければ3枚刃や4枚刃であっても持ち込み可能です。はさみについては、刃体(刃の長さ)が6cm以下であり、先端が鋭くなく、刃が鋭利でないものに限り、メイク用・医療用の目的で国内線・国際線ともに機内持ち込みが可能です。
航空会社別の持ち込み規制の違い
国内の主要航空会社では、飛行機の機内に持ち込める荷物は、基本的にスーツケースやキャリーケースなどの手荷物やハンドバッグやカメラなどの身の回り品とされています。主な条件は以下のとおりです。
- 手荷物は、身の回り品1点と手荷物1点の計2点まで
- 手荷物の合計重量は10kg以内
- 手荷物の3辺(縦・横・高さ)の合計が115cm以内
- 液体物は100ml以下の容器に移し替え、容量1リットル以下で縦横の合計が40cm以内の透明で再封可能なプラスチック袋(例:ジッパー付きの袋)に入れること
刃物類については、原則として機内への持ち込みが禁止されています。万が一持ち込んでしまった場合は、法律違反として罰金が科される可能性があります。ただし、機内持ち込みができる刃物類について、航空会社それぞれにルールが定められています。基本的な基準は共通しており、T字カミソリ、眉毛用カミソリ、爪切り、電気カミソリなどのメイクや医療、裁縫などに使用される小型の刃物類については、例外的に持ち込みが認められています。はさみの持ち込みについても、以下の条件を満たす場合に限り持ち込むことができます。航空会社や搭乗クラスによって独自の規定が設けられていることもあるため、各航空会社の公式サイトで確認しておきましょう。
航空会社 | はさみ持ち込みのルール |
---|---|
ANA | 先端が尖っていないもので刃体6cm以下の小型の眉毛切りや鼻毛切りに使用するはさみや携帯裁縫セットのはさみ |
JAL | 刃体が6cm以下で先が著しく尖っておらず、また刃が鋭利でないはさみ |
ピーチ | 先の尖っていない刃体6cm以下のはさみに限る。ただし、刃体6cm以下でも鋭利と判断されるはさみは持ち込み不可となる場合がある |
スカイマーク | 先端が尖っていないもので刃体6cm以下の眉毛切り、鼻毛切りなどの化粧用、携帯裁縫セットなどの小さなはさみ |
小さなはさみの持ち込み基準は刃体6cm以下

飛行機内に持ち込めるはさみには、「凶器として使用できないこと」が条件として定められており、刃体が6cm以下で、かつ先端が尖っていないものに限られます。具体的には、眉毛や鼻毛のカットに使用する小型のはさみや、携帯用の裁縫ばさみなどが該当します。刃体6cmを超えるはさみは、たとえメイクや髪の手入れに使用するものであっても機内持ち込みはできません。旅行先で必要な場合は、受託手荷物として預けるようにしましょう。
6cm以下でも没収されるケース
先ほど述べた通り、機内にはさみを持ち込むには、「凶器として使用できないこと」が絶対条件です。そのため、刃体が6cm以下であっても、先端が尖っており、刃が鋭利である場合には、殺傷能力があると判断され、持ち込みを拒否される可能性があります。このようなはさみを持参していた場合は、その場で没収してもらうか、チェックインカウンターに戻って受託手荷物に預け直すことになります。空港の一時預かりサービスや自宅への郵送手続きを行うといった方法もありますが、費用や手間がかかるため、現実的には利用しにくいでしょう。また、条件に適合するはさみであっても、手荷物検査時に申告していない場合、X線検査で発見され、保安員からの確認や説明に時間を要することはあります。その結果、搭乗手続きに遅れが生じる可能性があるため、あらかじめ申告するようにしましょう。
機内ではさみは使用できる?

機内に持ち込んだはさみは、フライト中に使用することが可能です。ただし、使用できるのはシートベルトの着用ランプが消灯している間に限られます。このランプが消えている時間帯であっても、トイレの使用を含め、機内の移動に制限があることもあります。また、離陸後に飛行機が水平飛行に入ってシートベルトの着用ランプが消えた直後は、気流の影響で機体が揺れることがあるため、はさみの使用中にケガをする恐れがあります。はさみを使用する際は、離陸後しばらく時間が経ち、機体が安定していることを確認してからにしましょう。また、使用は周囲への配慮を忘れず、安全に十分注意して行うようにしましょう。
まとめ

いかがでしたか。今回は飛行機にはさみを持ち込む際のルールについて紹介しました。フライト時間が長くなると、機内でメイクや髪の手入れをすることもあるため、はさみを手荷物に入れておきたいと考える人もいるでしょう。そのためには、事前の持ち込みルールをしっかり確認し、必要であれば、機内持ち込み可能な条件に合ったはさみを選ぶことが大切です。また、荷造りの段階で保安検査に引っかからないよう、事前にルールを確認し、適切に準備しておきましょう。