ANAスーパーバリューとは?メリットや注意点を解説
更新日:2025年9月4日

一般的に高いと思われがちな航空券の料金ですが、近年ではLCCの台頭もあり、大手航空会社でも通常より大幅な割引率で販売しています。ANAでは2018年10月に運賃の改変が行われ、以前の「旅割」に該当するものとして現在、「ANAスーパーバリュー」がリリースされています。今回は、ANAスーパーバリューの概要や利用するメリットを紹介します。
目次
- ANAのスーパーバリューとはどのような航空券?
- ANAバリューとは何が違う?
- ANAスーパーバリューを利用するメリット
- 予定を事前に立てやすい
- チケットをお得に買うことができる
- ― ANAスーパーバリューはどこまで安くなる?
- ANAスーパーバリューを利用する際の注意点
- 予約の変更ができない
- 乗り遅れた際のキャンセル料が100%
- シーズンによっては割引率が下がったり買えない場合がある
- まとめ
ANAのスーパーバリューとはどのような航空券?

ANAスーパーバリューとは、早めに予約するほど運賃が安くなる料金プランのひとつです。
これまでANA国内線には「特割」「旅割」といった早期割引がありましたが、2018年10月に特割が「ANAバリュー」に、旅割が「ANAスーパーバリュー」にリニューアルされました。中でも最も割引率の高いANAスーパーバリューは予約期限が搭乗の21・28・45・55・75日前の5段階で設けられ、搭乗日から遠いほど運賃が安くなります。なお、予約時の空席状況に応じて変動するため、固定の金額は設定されていません。通常よりも安く利用できる一方、予約後の変更が出来ず、搭乗日の54日前からは運賃の約30~60%に相当する取消手数料が発生するため注意が必要です。ANAスーパーバリューについての詳細は公式サイトでも確認できます。
ANAバリューとは何が違う?
「ANAバリュー」は、ANAスーパーバリューに比べて運賃は割高になりますが、搭乗日の3日前まで予約ができ、出発前であれば航空券の取消手数料が運賃の約5%といったメリットがあります。ANAスーパーバリューだと運賃の約30~60%の手数料がかかってしまうのに対し、約5%で済むANAバリューは、旅行の予定が変更される可能性がある場合に大いに重宝します。ただし、同じANAバリューでも搭乗前日まで購入可能な「バリュー1」は割引率が大幅に下がるので注意しましょう。
ANAスーパーバリューを利用するメリット

ANAスーパーバリューを利用して航空券を購入するメリットはどのような点にあるのでしょうか。金銭面だけでなく、どのような旅行プランに向いているかなど、利用する状況も含めて紹介します。
予定を事前に立てやすい
旅行先での目的が明確な場合はすぐに航空券を確保し、宿の予約も済ませたいところです。ANAスーパーバリューは搭乗の21~75日前を予約期限とした運賃プランで、通常よりも大幅な割引を受けることができます。予約後の変更ができないANAスーパーバリューですが、旅行のプランがしっかり決まっていれば安心です。早々に航空券を確保して、準備にたっぷりと時間をかけられます。また、早めの予約だと残席数も多く、希望時間帯の便も取りやすいため、ANAスーパーバリューは非常にありがたいサービスであるといえるでしょう。
チケットをお得に買うことができる
ANAスーパーバリューは早期割引の運賃プランであることから、早く予約するほど航空券を安く購入できる可能性が高まります。運賃は空席状況と連動しているので、早めの予約に加えて大型連休などを避けた日程を選べば、より割引率が高くなるでしょう。浮いたお金を旅行先でのグルメやお土産の購入に使えるので、旅行内容のグレードアップが期待できます。
—— ANAスーパーバリューはどこまで安くなる?
数ある運賃プランの中でもANAスーパーバリューの安さは圧倒的で、空席状況によってはLCC(大手格安航空会社)に迫るほどの割引率になる場合があります。【羽田空港(東京)⇔那覇空港(沖縄)】の区間で、通常運賃プラン「ANAフレックス」の片道45,810円を基準に運賃を比較してみましょう。
運賃プラン | 運賃 | 割引率 |
---|---|---|
ANAフレックス | 45,810円 | - |
ビジネスきっぷ | 43,610円(-2,200) | 約5% |
ANAバリュー | 39,310円(-6,500) | 約15% |
ANAスーパーバリュー | 9,010円(-36,800) | 約80% |
「ビジネスきっぷ」が43,610円、「ANAバリュー」が39,310円、「ANAスーパーバリュー(75日前予約の場合)」が9,010円となっており、その差は歴然。ANAスーパーバリューはANAフレックスから約80%もの割引率となり、それ以外の予約日でも約35〜60%の割引が期待できます。便や路線の状況によって割引率に差は出てきますが、他の運賃プランと比較してもANAスーパーバリューは圧倒的に安いということが分かります。
ANAスーパーバリューを利用する際の注意点

航空券を安く購入できるのが魅力のANAスーパーバリューですが、圧倒的な安さを誇る反面、予約や手数料に関する制約がいくつかあります。不要な料金を払わなくて済むよう事前に把握しておきましょう。
予約の変更ができない
ANAスーパーバリューは規定により、予約確定後の変更が一切できません。搭乗当日に空港で別の便に空席があったとしても振替は不可です。しかし、搭乗当日に予約便のプレミアムクラスに空席があれば、追加料金を払うことで座席のアップグレードが可能です。どうしても予約を変更したい場合は、ひとまず予約をキャンセルし、料金の払い戻しなどを行ってから、航空券の予約・購入をやり直さなければいけません。旅行の予定に変更がありそうな場合、ANAスーパーバリューの購入は控えたほうが良いでしょう。
乗り遅れた際のキャンセル料が100%
ANAスーパーバリューは予約後から搭乗の55日前までキャンセル料(取消手数料)が無料となっており、払戻手数料(440円)のみが発生します。それ以降で発生するキャンセル料は以下の通りです。
解約日時 | キャンセル料(取消手数料) |
---|---|
購入後~搭乗日55日前 | なし |
搭乗日54日前~45日前 | 運賃の約30%相当 |
搭乗日44日前~28日前 | 運賃の約40%相当 |
搭乗日27日前~14日前 | 運賃の約50%相当 |
搭乗日13日前~出発時刻前 | 運賃の約60%相当 |
出発時刻以降 | 運賃の100% |
※一律で払戻手数料440円が発生
運賃の約30~60%相当額(解約日に応じる)のキャンセル料が発生し、非常に高額となっています。ANAバリューで予約した場合だと、キャンセル料が出発時刻前までで運賃の約5%相当となっているので、ANAスーパーバリューのキャンセル手数料は割高であるといえるでしょう。なお、払い戻しができるのは、予約便の出発日の翌日から起算して30日以内に限られます。出発時刻以降のキャンセル料は、ANAスーパーバリュー、ANAバリューともに運賃の100%となります。少しでも払い戻しを希望する場合は、搭乗に間に合わないと分かった時点ですぐに航空会社に連絡を入れましょう。
シーズンによっては割引率が下がったり買えない場合がある
ANAスーパーバリューの運賃は固定ではなく、空席状況に応じて変化します。搭乗者が多く、残席数が期待できない年末年始やお盆、大型連休などの繁忙期は割引率が下がってお得感が薄くなってしまう、もしくは航空券の購入自体ができないことも予想されます。割引率が低くなると、他の運賃サービスと大差がなくなることもありえます。その場合は旅行の日程を再考する、日程が動かせないなら別の運賃プランを利用してフライト時の快適性を上げるなど、複数の選択肢を考えておきましょう。
まとめ

旅行費用のコストカットに繋がるANAスーパーバリュー。早めの予約で航空券を安く購入できるので、旅のプランが決まったらぜひとも利用したいところです。ただし、ANAでは2026年5月19日から国内線の運賃がリニューアルされるため、ANAスーパーバリューを利用できるのは2026年5月18日搭乗分までとなります。以後は、「シンプル」「スタンダード」「フレックス」という運賃プランがメインになりますが、ANAカード優待割引や株主優待割引、ユース・シニア割引といった定番の運賃は継続されます。ANAは不定期でさまざまなキャンペーンを行っているため、ANAスーパーバリュー同様の割引運賃で航空券を購入できる可能性も出てくるでしょう。