話題の映画『翔んで埼玉 ～琵琶湖より愛をこめて～』の魅力と、映画に出てくる観光地をまとめて紹介【ロケ地巡り / 聖地巡礼】

『翔んで埼玉』とは

『パタリロ』の作者によるギャグ漫画

『翔んで埼玉』とは、「花とゆめ」(白泉社)の1982年冬の別冊と1983年春の別冊、夏の別冊の3回分けて連載された、『パタリロ』で知られる漫画家・魔夜峰央(まや みねお)によるギャグ漫画です。「埼玉県民にはそこらへんの草を食わせておけ！」など、執筆当時、埼玉に住んでいた作者による振り切った“埼玉ディス”で話題となりました。「ださいたま」「サイタマラリヤ(漫画での表現)」などイジられ倒す埼玉県ですが、作者が住んでいたからこその郷土愛も感じられる作品となっています。

あらすじ

今作の舞台となっているのは、埼玉から東京へ行くには通行手形が必要な空想の世界。都会指数によってクラス分けされている白鵬堂学院に転入してきた麻実麗(あさみ れい)と、生徒会長の白鵬堂百美(はくほうどう ももみ)が出会うことからスタートします。最初は反発し合う２人ですが、ある出来事をきっかけに仲良くなり、不当な弾圧に立ち上がることに。日本の最重要都市であり、最も都会指数の高い東京都民と、迫害を受けている埼玉県人、そして周辺の千葉県や茨城県などもまきこんで、差別政策を撤廃させるべく物語は動き出します。

実写映画化で大ヒット

『翔んで埼玉』は、2019年にまさかの実写で映画化され、白鵬堂百美役を二階堂ふみが、麻実麗役をGACKTが熱演。漫画は完結していないため、物語の続きが描かれている映画はファンにとって待ちに待った内容となっています。漫画同様、徹底的にディスられた埼玉県ですが、さいたま市にある映画館「MOVIXさいたま」が観客動員数で日本一となり聖地と化すなど大反響。映画は大ヒットを記録しました。そして2023年11月、その続編となる映画『翔んで埼玉 ～琵琶湖より愛をこめて～』が公開となり、再び大きな話題となっています。

映画『翔んで埼玉 ～琵琶湖より愛をこめて～』

2023年11月に公開となったシリーズ第2弾となる映画『翔んで埼玉 ～琵琶湖より愛をこめて～』。麻実麗(あさみ れい)役をGACKTが白鵬堂百美(はくほうどう ももみ)役を二階堂ふみが続投しています。今回の映画の舞台は関西。麻実麗はさらなる平和を求めて「日本埼玉化計画」を推し進める中で、埼玉県人の結束を固めるため越谷に海を作ることを決意。白浜の美しい砂を求めて和歌山へ向かいます。「東京 vs 埼玉」だった前作から「関東 vs 関西」へと規模は拡大し、壮大な茶番劇が繰り広げられます。

魅力的な新キャストが続々！

「東西対決」がテーマの今作には、新キャストが続々登場します。GACKT演じる麻実麗が出会う“滋賀のオスカル”こと滋賀開放戦線のリーダー・桔梗魁(ききょう かい)役に杏。そして結婚後初の夫婦共演となるのが、冷酷無慈悲な大阪府知事・嘉祥寺晃(かしょうじ あきら)役の片岡愛之助と、ハイカラな街の妖艶な神戸市長役の藤原紀香。さらに京都に絶対的な誇りを持つ京都市長役に川崎麻世など、濃いキャラが揃います。その他にも、滋賀県出身の堀田真由やくっきー！(野性爆弾)、京都府出身の山村紅葉、大阪府出身のモモコ(ハイヒール)、和歌山出身の天童よしみなどが続々登場します。

ご当地ネタも満載

シリーズ第1弾では、東京都知事の大好物として描かれる「崎陽軒のシウマイ」のほか、千葉県のピーナッツや、茨城県の腐った豆（納豆）などの多くの名産が登場しましたが、今回のシリーズ第2弾にも様々なネタが散りばめられています。例えば、大阪府からは「551 蓬莱の豚まん」や「たこ焼き」といった粉物、滋賀県からは郷土料理「ふなずし」や「サラダパン」といった名産が登場。その他にも、滋賀県が発祥の「とびだしとび太」や「平和堂HOPカード」などの細かいネタが満載です。

空想の物語に出てくる実在の観光地

『翔んで埼玉』では、群馬県の「ロックハート城」、茨城県の「常陸風土記の丘」、「東京都庁」などのロケ地が登場し、大きな話題となりました。今回のシリーズ第2弾『翔んで埼玉 ～琵琶湖より愛をこめて～』では、どんな場所がロケ地やその土地を象徴するイメージとして描かれているのでしょうか。空想の物語ですが、映画を見たらきっと行きたくなる、実在する観光地をいくつか紹介します。

埼玉県「古代蓮の里 展望タワー」

通称「行田タワー」は、埼玉県行田市にある「古代蓮の里」の展望タワーです。蓮の花のシーズンはもちろん、園内は樹木や水生植物などの自然に溢れており、四季折々の景色を楽しむことができます。この展望タワーは、蓮地の水面から花茎が立ち上がる様子がイメージされているそう。映画の公開時期には、行田タワーから見ることができる、田んぼアートも話題となりました。

〒361-0024 埼玉県行田市小針2375番地
営業時間：
通常期 9:00～16:30(受付16:00まで)
蓮の開花期間(6月下旬～8月上旬) 7:00～16:30（受付16:00まで）
休業日：
通常期 月曜日(祝日は営業)、祝日の翌日(土日は営業)、年末年始
蓮の開花期間(6月下旬～8月上旬) 休業日なし

滋賀県「彦根城」

滋賀県の彦根市にある国宝・彦根城。1622年に築城され、400年以上が経つ今でも、築城当時のままの姿を残しています。店主からは雄大な琵琶湖を一望することができ、琵琶湖八景のひとつにも数えられています。天守前広場や彦根城博物館では、ほぼ毎日「ひこにゃんショー」が行われているそうです。

〒522-0061 滋賀県彦根市金亀町1-1
営業日：
年中無休(開国記念館は12月25日から12月31日まで休館）
開場時間：
8:30～17:00(最終入場は彦根城、玄宮園は16:30まで　開国記念館は16:45まで)
※終了時間までに退出のため、天守、天秤櫓、太鼓門櫓、西の丸三重櫓、馬屋の建物内は16:45に閉門。

滋賀県「白鬚神社」

白鬚さん、明神さんの名で親しまれる「白鬚神社(しらひげじんじゃ)」は、延命長寿・長生きの神様として知られており、祭神は猿田彦命(さるたひこのみこと)です。創建は約2000年前と伝えられており、近江最古の歴史を誇ります。琵琶湖上に浮かぶように見える、滋賀県を代表する絶景スポットです。週末などには、鳥居のライトアップが行われているそうです。

〒520-1122 滋賀県高島市鵜川215番地

滋賀県「瀬田川洗堰」

利水・治水を目的に、琵琶湖から流れ出る瀬田川の流量を管理している「瀬田川洗堰」。洗堰(あらいぜき)とは、水流を横切って石を詰め、水を溜める構造物。堰の高さより水が増えると堰の上を水が流れます。現在の洗堰は1992年にバイパス水路が新築されたもの。直上流には、旧堰の遺構が残っており、左岸には展示館「水のめぐみ館 アクア琵琶」も設置されています。通常、旧堰の上には立ち入ることはできませんが、月に１度の「洗堰レトロカフェ」開催時には入ることができるそうです。

〒520-2279 滋賀県大津市黒津4丁目・南郷一丁目

大阪府「通天閣」

「通天閣」は、大阪の人気観光地でもある「新世界」の中心部に建つ展望塔。公式キャラクターの幸福の神様「ビリケン」が鎮座する展望台からは、キレイな夜景をみることができます。中間展望台には、EV塔の外周を1回転半して地下1階へと一気に滑り降りる、体感型アトラクション「TOWER SLIDER」があり人気です。

〒556-0002 大阪府大阪市浪速区恵美須東1-18-6
営業時間：
一般展望台 10:00～20:00(最終入場19:30)
特別野外展望台 10:00～19:50(最終入場19:30)

兵庫県「阪神甲子園球場」

兵庫県の西宮市にある「阪神甲子園球場」は、1924年に開場した日本初の大規模多目的野球場。2023年、18年ぶりにリーグ優勝した阪神タイガースの本拠地ですが、現存する最古の球場で、2024年には開場100周年を迎えます。春と夏には、全国高等学校野球選手権大会の開催地となり、高校球児の憧れの聖地としても知られています。

〒663-8152 兵庫県西宮市甲子園町1番82号

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まとめ

いかがでしたでしょうか？ 規模やディスリ、キャラクターなど、すべてがパワーアップしている今作ですが、シリーズ第1弾『翔んで埼玉』は、日本アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞を含む最多12部門で優秀賞を受賞しています。空想の世界とはいえ、『翔んで埼玉 ～琵琶湖より愛をこめて～』には、紹介した場所をはじめデフォルメされた様々な観光地が登場します。ぜひ、映画を見た後に、GACKT演じる麻実麗が訪れた土地に出かけてみてはいかがでしょうか？